2019年新年の挨拶
 昨年の新年の挨拶は次の様でした。
アメリカ・ファーストを公言し、世界に挑戦するトランプ、一方では経済的にも軍事的にも着実に力を付けてきている習近平国家主席、そしてロシアの復権を目指すプーチン大統領、さらには中近東やアフリカでは混乱と殺戮が止みません。不確実性が増してきています。このような中で、EUや日本は、より強固なパートナーシップを目指すことの正当性が生まれつつあります。フェイクニュースやインターネットによって、私たちの価値観、政治感覚すら、簡単に操作されてしまいます。このような流れの中で、私たちはややもすると物事の本質を見失ってしまいます。私たちの投票行動が、とんでもない現実を作り出しかねません。ポスト・トルースの時代に真実を見極めるのはとても困難です。自分の国だけを見ていては、自分の立ち位置すら分からなくなってしまいます。日本は戦後一貫してアメリカを強く意識してきましたが、問題が生じたとき、果たしてそれだけで良いのかどうかを判断するときに、EUの行動を見ておくことは手助けとなります。別に反アメリカでなければならないと言っているわけではないです。世界にある種の理念を発信するとき、私たちはEUを必要とします。このように考えると、ソフト・パワーとして日本とEUは互いに行動する機会が今後一層増えてきます。エネルギー問題、気候変動、世界平和、格差是正、移民問題、反保護主義、民主主義、知的財産、法による解決などなど、協力出来る分野のリストは長いのです。
 1年が経過して、ますます世界は混迷の度を深めていまする。個人データの利用とソーシャル・ボットを使った言論、ポピュリズムによって、政治力が弱くなっています。ナショナリズムと人種偏見、敵のイメージの形成が、臆面もなくマス・メディアに登場してきます。自国だけを見ていて、自国の情報に浸っていては、私たちは誤った判断を下す恐れがあります。私たちの1人1人の感性は、国家という枠組みの中に押し込められ、切り取られるものではありません。私たちは日本を越えて世界を見続けないと、とんでもない誤りに加担することになりかねないのです。
 このような意味で、石川EU協会はEUの動きをキャッチし、翻って、日本とアジアを見るためにEU研究会を行っています。内外の識者による講演会、会員による研究会などを行っています。また年に一度ですが、10月には日本とEUの外交官が一堂に集って議論をしてもらうEU国際フォーラムも行っています。
 私たちの活動は,日常的に会の運営を担う事務局のメンバーと、多くの会員によって支えられています。私たちの催し物は参加が無料で、市民に開かれています。参加して下さる市民や学生さんが私たちの活動の支えであります。皆さまの一層のご支援をお願いするとともに、このような会に興味を持たれる方のご入会は大歓迎です。また事務局(全員無料のボランテア)を手伝って頂ける方を歓迎します。今年も刺激的な催し物を企画したいと考えています。皆さまのご参加とご協力をお願いいたします。
                                                             会長 楠根重和


                                                

EU加盟国の新年の挨拶

2019年の催し物 (Events 2019)