2021年新年の挨拶
 ウクライナをめぐるロシアとアメリカの対立、NATOの東方拡大に危機を感じるロシアの不安と反発は理解できます。またロシアから送られる天然ガスにヨーロッパの多くの国は石炭よりも環境に優しいということで、頼っています。ころロシアによるエネルギー依存から脱却すべく、突然原子力発電を環境優しいエネルギー源と位置づけたいというフランスの考えに、ドイツの政党は揺れ動いています。民主主義と基本的人権と法による解決という呪文を唱えても、それらが実現するわけでも、維持されるわけでもありません。絶えずその実現のために努力し続ける必要があります。アフガニスタンからNATOの有志連合国が軍隊を引き上げる約束をトランプ大統領はタリバンとして、それを民主党のバイデン大統領が追認し、アフガニスタンは2021年8月末にタリバンの支配する国になりました。タリバンの圧政的支配と報復を恐れて多くのアフガニスタン人が難民となって、国外に脱出しました。イランに避難した人もいますが、多くの難民はアメリカやヨーロッパを目指しました。これまで軍隊を送ってた国の出先機関や、それ以外の国際的NPOやNGOで働いていた人々は優先的にビザを発行して貰えて、国外脱出に成功した人がいる一方、高い教育を受けた技術者や女性は、タリバン政権での可能性を見限り、国外逃亡を図ろうとしています。これまで難民の流入、外国人の労働の移入を嫌って、脱EUというポピュリズムで、イギリスの首相になったボリス・ジョンソンの人気にも限りが見られています。ポピュリズムで政治を動かし、権力を手に入れる、多くの民主主義国家を標榜する国民の、世界を、そして自国を見る責任は大と言えます。
 石川EU協会はEUの動きをキャッチし、翻って、日本とアジア、そして世界を見るためにEU研究会を行います。パンデミックが収束できず、活動が制限されいますが、今年も興味あるテーマでの講演会と皆様との交流を企画します。
 私たちの活動は,日常的に会の運営を担う事務局のメンバーと、多くの会員によって支えられています。私たちの催し物は参加が無料で、市民に開かれています。参加して下さる市民や学生さんが私たちの活動の支えであります。皆さまの一層のご支援をお願いするとともに、このような会に興味を持たれる方のご入会は大歓迎です。また事務局(全員無料のボランテア)を手伝って頂ける方を歓迎します。今年も刺激的な催し物を企画したいと考えています。コロナ禍が収束しない場合は、Zoomによる講演会に切り替えたいと思います。今後とも皆さまのご参加とご協力をお願いいたします。
                                                             会長 楠根重和


                                                


新しい催し物ほど上に来ます
The newest event comes above.

タイトルは石川EU協会の催し物(共催を含む)ならびに特にEU関係で重要と思われるものです
Events in read are our own events, co-sponsered is also included.
赤タイトルは他の団体や石川EU協会会員やその他のEUに関する催し物等です。
皆様からの情報を事務局にお願いします。
Events in black are those of other organisations


2021の催し物 (Events 2021)

皆様、楠根です。Pandemieの時代には、多くの活動が停止に追い込まれています。この様な状態はいつまで続くか分かりません。
世界の各国で次々と新しい変異型ウィールスが生み出され、現在有効とそれているワクチンも、効かなくなります。
ウィールスという敵も生き延びようと必死なのです。このような状況下で、なかなか石川EU協会の催し物を開催できないことを
皆様および会員の方に申し訳なく思っています。しかし何か集まって行うことは、感染力の強い変異型の出現という現状を
考えますと、当分それも難しいと考えます。
そこで5月には非対面式の講演会を開くことにしました。大学とか職場では普通ですが、これまで石川EU協会では行ったことがありません。
皆様に不都合を強いることになりますが、皆様の安全のために了解下さい。


10月15日 石川EU協会理事会/総会と講演会
皆様、コロナのために長く催し物が開催できませんでしたが、10月に入るとだんだんと、コロナ対策が緩和されだしました。
それでもまだ無制限に集まることはできません。会場を探したのですが、15名以上の人が一同に集まることは許されず、
また一部を対面で、残りをZoomでの開催も考えたのですが、例えば四高記念館ではWi-Fiが使えません。そこで変則的ですが
、総会と理事会を一つにした会議を開催し、その後講演会を開催したいと思います。

19時から19時半、総会(理事会)
19時半から21時 講演会「ドイツと日本の選挙。アフガニスタンなどの難民問題と安全保障を考える」
講師 日本マス・コミュニケーション学会会員・AMIC会員・金沢大学名誉教授 楠根重和
 
先日、930日に行われたドイツ文化センターとドイツ学術交流会(DAAD)Zoomによる講演会ではドイツの選挙に関する結果について
いろいろと議論がなされていました。その中で日独の選挙制度や、ドイツの選挙結果がEUやインド太平洋、世界に及ぼす影響、
亡命問題(特にアフガニスタン)、コロナ対策などについて話が出ていました。これを聞いていて、私のこれまでドイツの選挙制度、
ジャーナリズム、また東南アジアや中国の権威主義国家のジャーナリズム、アメリカやヨーロッパの政治教育などについて研究してきたことと
重なる部分も多く、このテーマはとても面白いと思いました。そこで皆様にとっても関心の高いテーマと思われますので、私なりに料理して
問題提起も兼ねてプレゼンさせて頂くとことを考えた次第です。日本とドイツの選挙制度を比較しながら、選挙等の争点、投票行動、
その世界への影響について述べたいと思います。
理事会/総会に参加される方は下のZoomに19時5分前にお入り下さい。理事会総会に参加される方は、マイクも動画もonでお願いします。
なお、講演部分については石川EU協会以外の方にも聞いて頂きたいので、オープンいたします。一般市民の参加も歓迎いたします。
一般講演が始まりますと、動画もマイクもoffで参加をお願いいたします。

一般市民の方でお聞きになる方は石川EU協会へメールして下さい。一般の方は19時30分に入場下さい。
 
Zoom参加の注意点
Zoomの参加は携帯でも、i-Padでもコンピュータでも可能です。
講演時中は、皆様は音声を切断して入って頂く必要があります。皆様の音声や環境音が聞こえると、講演の音声が他の人に聞こえづらくなります。
講演を聞いていて質問のある方はチャット機能を使って公演中に質問内容を手短に書いて下さい。時間の許す限り、答えられる範囲の中で,
お話をさせて頂きます。音声の質問にすると、長くなり、多くの人の質問に答えることができないからです。音声による質問は受け付けません。
講演にのみ参加される方は当日の19時30分から次のホームページをクリックするだけで立ち上がります。
あるいは皆様がZoomのプログラム(有料の)をダウンロードしている場合は、ミーティングID:とパスコード:とを打ち込んで参加できます。
Zoomミーティングに参加する
https://us02web.zoom.us/j/84643377891?pwd=TXBZVmFHNEw0a3hUYjZRck5sT0lZdz09
ミーティングID: 846 4337 7891
パスコード: 835632

7月 私たちには顔なじみの伴野文夫先生(元NHK特派員、元杏林大学社会学部教授、日本EU学会会員)がこのたび著書を出されました。
タイトルは『2050年、未来秩序の選択』(NHK出版)です。伴野先生にコロナが落ち着いたら講演して下さるように依頼しています。条件が整いましたら、皆様にご案内いたします。


6月には石川EU協会の事務局の佐藤秀樹先生が金沢大学図書館とEUについての講演会をされたようです。コロナかでは外部にまで、情報を流す
状況になかったようです。

5月20日
石川EU協会元副会長、石川日独協会元会長、横浜日独協会会長、元星稜大学学長早瀬 勇先生がこのたび著書を出されました。
タイトルは、『ドイツと私の半世紀』というこれまでのドイツとの関係、日独協会との関係、個人の体験などがぎっしりと詰まっている著書を
出版されました。興味のある方は是非とも読んで頂きたい。
出版社 文芸社、1200円




5月12日 講演会 「ライン博士の日本滞在日記から見えてくる当時の日本の状況」

時間 
午後19時より21時、講演は1時間、その後、皆様と自由に質疑応答を最大1時間
講師 石川EU協会会長・ライン顕彰会顧問 楠根重和
講演趣旨

1873年から1875年の2年弱、日本研究のために、ほぼ日本全国を研究旅行したライン博士の日記から、当時の日本のインフラ、
政治状況など、日本の姿が映し出されます。当時の日本のインフラ、産業が分かります。また当時のお抱え、アメリカ、
ヨーロッパの外交官、外国貿易商社、日本人学者、日本政治家、地方の知事などとライン博士は交流していました。
ライン博士は想像以上の幅広いネットワークを構築していました。日記を読むことで、ライン博士とともに、
当時の日本を毎日のように歩き回りました。そのおかげで日本の混乱期を追体験することができました。
驚きの連続でした。 ある意味、『日本研究旅行記』よりも刺激的な、ライン博士の日記について、この様な作業を通じて、
これまで知られていない知見が得られましたので、皆様にご報告してみることにします。
皆様と一緒に明治初期の旅に出かけたいと思います。


講師紹介
楠根氏はかなり前から明治初期(1873-1875)に日本に来たJohannes Justus Reinという地理学者について研究を行っています。
ライン博士について研究している内外の学者達と情報交換する過程で、日記の編集者になりました。ライン博士が残した手書きの日記は
ラオンハイム市のライン研究者が所有してい、その存在はほとんどこれまで知られていませんでした。ボン大学地理学研究所のシェンク教授は、
このライン博士の日記の手書きの癖をボン大学の大学図書館のAIに学習させ、活字にしたものの註付けを楠根氏に依頼しました。
ライン博士の日記には、多くの日本の地名(部分的にはもう存在しない)や、ライン博士が当時日本で知り合った人たちが登場し、明治期の急激な変化の中で、それを読み取るのはドイツ側からは困難だとの判断がありました。そこで楠根氏が編集者の一人として参加することになったのです。この日記の前半が今年の1月末に、ボン大学から出版されました。現在後半部の日記の編集作業に当たっています。


E. Ferger Verlag 2020

講演時間 質疑応答も含めて最大2時間と言うことにしますが、あまり討議が活発でない場合は、少し早く終わりたいと思います。

Zoom講演会の
注意点、
講演時の時には、皆様は音声を切断して入って頂く必要があります。皆様の音声や環境音が聞こえると、
講演が聞きづらくなります。質疑応答の際には、発言者は手を上げて頂き、私の方から呼びかけた後に
その人のみマイクをOnにして発言して頂くようにお願いします。発言が終わるとマイクを切って下さい。
講演に参加される方は当日の18時40分ぐらいから次のホームページをクリックし、ミーティングID:とパスコード:とを
打ち込んで参加できます。
ホームページは4406577050?pwd=aVI0akw2Tzl3YWUveStMUHltUXB5QT09

18時50分頃からZoom-Meetingを開いてお待ちしています。なお正確なミーティングIDとパスコードは
石川協会事務局から会員の皆様にあらかじめメールで知らされます。無関係の人が入ってくるのを
防ぐための措置です。参加はコンビュータからも、タブレットからも、携帯端末からでもできます。それでは皆さまにお目にかかることを楽しみにしています。



講演後記
ご参加頂きありがとうございました。ライン博士顕彰会会長山下様を含め、多くの方に参加して頂き、活発な討論ができました。またライン博士の研究者の山田先生の参加も頂き、講演者としては緊張しました。
この講演で、ライン博士の日本滞在中の行動と幅広い人的交流を明らかにすることで、ライン博士の人間性、研究の関心の幅広さ、内外の学者,政治家、行政官の協力者、そして何より明治初期の日本の姿を浮かび上がるように努めました。ライン博士は石川県では誤って、地質学者の面が強調されていますが、彼の学際領域の地理学という学問は、人間の社会全体を含んだ領域です。産業、農業、交通、農業、自然など。それらを対象に研究できたのは、ライン博士がゼンケンベルク自然科学研究者協会という学術団体という協力者集団がいたということも,大きいのです。そして何よりもライン博士の人柄が多くの人を引きつけたのです。ライン博士とコンタクトを持っていた人が、その後金沢の医学の発展にも尽くしたのです。(文責 楠根)