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二代会長あいさつ

2016年4月1日より石川EU協会二代会長 楠根重和
 
 欧州代表部と石川県を結びつけるために、精力的に活動されてきた淺野周二先生の後を継いで会長になりました楠根重和です。いつかは石川EU協会を引き継がなければならないと、ブリュッセルのEU委員会まで三度足を運び、できるだけ欧州代表部とのコンタクトも取りながら、淺野周二先生の帝王学を学んで来ました。そばで見ていて、28カ国を対象にするということは、どれほど大変かということを知っているだけに、これからも淺野先生の力を借り、また副会長を初め役員の皆様のお力添えを得て、日本に14あるEU協会の中でも、学都金沢にある石川EU協会の強みをさらに伸ばし、弱いところはカバーして、この会に入っている方が、この会に入っていることを誇りに思うような会になるよう、力を注いで行きたいと思います。
 石川EU協会のレゾン・デェートルは何かと自問自答し続け来ました。そしてどうあるべきかを最近ようやく分かってきたところがあります。
 世界の中の日本、東アジアの平和、民主主義、文化の多様性と同化、社会システム、心の国際化など、EUは私たちに考え、行動するヒントを与えてくれています。先日のイギリスのEU離脱の国民投票を見ていて、ナショナリズムとポビュリズムに浸食される民主主義、エゴイズムなど、理想と現実の乖離は大きいのです。世界的視野でこれら様々な問題をこれからも取り上げていくことの重要性を感じています。
 幅広く内外の講師に来て頂いて、EUと日本とのコミュニケーションを通じて、石川県の国際化にも寄与したいと願っています。そのために、私たちのほとんどの催し物は非会員の一般市民に開かれているのもこのためです。
 学都金沢の強みを生かし、ドイツ、フランス、イギリスといったEUの大国だけではなくて、その他のEUの多くの国についてもカバーできるように、幅広いバックグラウンドを持つ会員を増やしていく所存です。その活動は文化とか政治だけではなく、ヨーロッパにコミットメントしている北陸の企業にも参加を呼びかけていく形で、範囲を広げていきたいと思います。
 できるだけ皆様の
ご要望にも応えるつもりですので、なにかご要望がありますれば、事務局にメールを送って下さい。また、お手伝いして頂ける人を募集しておりますので、遠慮せずに、申し込んで下さい。とりわけIT能力の高くて語学力のある事務局員(全員ボンティア)が不足しております。
                                  (2016年7月2日記)

初代会長あいさつ

石川EU協会初代会長(2008年4月17より2016年3月末まで)
2016年4月1日より石川EU協会名誉会長 浅野周二先生

 2007年5月13日(日)、金沢において、駐日フランス大使館よりChristophe PENOT公使を、駐日ドイツ大使館よりBernd FISCHER公使(当時)をお招きし、「EU」をテーマにした「日仏独3国合同シンポジウム」を開催しました。金沢日仏協会(浅野周二当時会長)と石川日独協会(山村勝郎当時会長)が共同で催したものです。
 「欧州統一の実現と今後の日本EU関係」というタイトルのもと、早瀬勇金沢星稜大学長(当時、現石川日独協会会長)に基調講演をしていただき、パネラーには上記両公使のほかに園山春一北陸大学未来創造学部長と安島稔「ヤスジマ(金沢)」社長をお迎えしてご討論いただき、司会には五十嵐嘉晴金沢美術工芸大学名誉教授(金沢日仏協会副会長)と楠根重和金沢大学教授(石川日独協会副会長、通訳も兼ねるという離れ業でした)にご登場願うという豪華キャストでした。
 PENOT公使とFISCHER公使からは冒頭の発言で、27か国からなる現在のEUが実現する中で果たしたフランスとドイツの役割を、具体的な例を交えながら説明していただきました。1963年、両国間に交わされたエリゼ条約の締結が、ひとつの大きな転機になったことがよく理解されました。専門家は別として一般の方々には、いままで遠くの存在でしかなかったEUが、割合、身近な存在であるということが肌で感じられた一日でした。

 この日があって、機は熟したと感じられたのでしょう。早瀬勇星稜大学長兼石川日独協会会長の音頭で「石川EU協会」設立の準備が始められました。そして2008年4月17日(木)、金沢市内「ぴるぜん」において開催された設立総会において、全国12番目となる「石川EU協会」がついに誕生し、私は会長に選ばれるという栄誉に浴しました。
 協会の役員欄をご覧になっていただくと、すぐにお分かりになるでしょう。すごい陣容です。さて、このすごい陣容でもって協会はどう進んでいくべきなのでしょうか。

 ここで大なぎなたを振リかざして大仰なお話をするよりも、私が会長として何をすべきかということを書いた方が、実際的でお分かりいただき易いのではないかと思います。
 構造的に見ますと、いまや地球の向こう側のヨーロッパには、従来あったいくつもの国家が集合してできた巨大国家のような集合体、つまり欧州連合(EU)が誕生したわけです。そして、その日本側への働きかけの窓口として、東京に「駐日欧州委員会代表部」が設けられています。いわばEUの大使館です。しかし、この代表部からの働きかけは、受け皿がなかったという理由から、いままで、少なくともここ北陸地方は素通りしていくという運命にあったわけです。とすれば、まず私がやらなければならないことははっきりしています。世界の潮流から取り残されないために、ここ石川に「石川EU協会」という名のしっかりした基盤をつくって潮流をせき止めるということです。
 私は従来、どのような組織であっても、お互いが有機的に結びつくためには血の通い合う温かい人的な交流は欠かせないと思っています。そういった意味で、上記「駐日欧州委員会代表部」とは機会あるごとに、積極的に人の往来を促進するように努めていきたいと思っています。
 一方、こういった対「代表部」に向けた作業ばかりではなく、協会内部に向けた作業も必要であることは論を待ちません。次のようなことが重要かと思っています。
 人間のからだには脳や心臓、肝臓あるいは消化器などといったさまざまな臓器があって、それぞれがそれぞれの機能を発揮して人間としての正常な営みがなされています。しかし、どんなに優秀な臓器といえども、それらを有機的に結び付ける組織がなく、ばらばらに働いていたのでは人間としての営みはできません。この組織は「結合組織」と呼ばれているものです。「石川EU協会」の中で私がなさなければならないのは、まさにこの結合組織の役目だと思っています。つまり、国際問題に関して専門性がなく、ずぶの素人である私がやるべきこと、いや、できることは、いかにして多くのエキスパートの方々に協会へ入っていただき、こうしてお集まりいただいた方々をいかに上手に結びつけるかということにあると思っています。

 少々「年」を食っていること、生粋の地元石川の育ちであることが、いいように作用してくれればと願っています。まずはこういった体制づくりに向けて頑張らなければならないと思っております。
                                        (2008年4月26日記)
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