2025年新年の挨拶
 ロシアという核大国、資源大国、国連常任理事国が戦争を行い、イスラエルが自衛という名目で過度の戦闘を行い、シリアの崩壊、ヨーロッパの支援疲れ、難民の強制的な帰還なども声高に叫ばれる。一方では外国人労働者に農業やハイテクやサービス産業が依存しているのに、家事や洗濯や掃除は外国人の労働者を使い、男女平等や平和を叫びながら、自分たちの正義を叫ぶ、その矛盾に気付かないようでだ。軍事力に力を入れ、貧富の差を避けがたいと当然視していては、社会は分断するしかない。日本の報道は内向きで、国際紛争の現場にジャーナリストを派遣することも少なく、欧米のメディアの動画や映像を使い、タレント化した学者の同じようなコメントを聞かされていては、世界の悲しみは伝わらない。そのうちに紛争も災害も深く知ることなく忘れ去られていく。2004年12月26日に発生したニコバル・アンダーマット諸島を震源地とするスマトラ半島沖の巨大地震と津波で30万人を超える死者が出ました。この地震を覚えておられますか。人類史上最大の地震災害である。私たちは自分の臍を見つめて生きている。目線を上げて世界を見つめると、何をしなければならないか、どように理解すれば良いのかが分かる。自国中心主義的な認識プログラムに取り込まれ、NSNの情報に頼っていては、本当のことは分からない。
 一国で問題を解決したり、あるいは世界を動かしたりすることは、超大国でない限り、無理である。しかし小さな国が、それぞれのナショナリズム克服し、一致団結して行動すれば、超大国が行う決定よりも、世界から受入れられる。その試みがEUである。そのEUの行動に、平和、人権、社会の分断の克服の可能性を見ている学者や市民が立ち上げたのが、石川EU協会である。日本とEUは戦略的パートなシップ条約に調印している。私たちと一緒にEUについて学ぼうではありませんか。

 私たちの活動は,日常的に会の運営を担う事務局のメンバーと、多くの会員によって支えられている。私たちの催し物は基本的に参加が無料で、市民に開かれている。参加して下さる市民や学生さんが私たちの活動の支えて下さっている。皆さまの一層のご支援をお願いするとともに、このような会に興味を持たれる方のご入会を歓迎したい。今年も刺激的な催し物を企画しますので、今後とも皆さまのご参加とご支援とご協力をお願いしたい。
                                                                    会長 楠根重和